ゴム印画とはジェラチン・シルバー・プリント(通常のモノクロ・プリント)とは異なり、銀を使用せず紫外線での『糊』凝固の手法である。
競売では他アルタネイティブ技法も交えたゴム印画写真の一枚が写真史上最高額で落札されている。
ゴム印画は1839年スコットランド人ムンゴ・ポントンの発明後、仏人ビクター・アーティギュ等により改良が重ねられた。
更に1890年から1920年頃『リンクド・リング(アルフレッド・マスケルやロバート・ダマーシーを含む英国拠点グループ)』や『フォト・セセッショニスト(エドワード・スタイケンやアルフレッド・スティーグリッツなどの米国グループ)』
の間で人気となったプリントでもある。印画の手法も柔軟性に富み、作品も通常の写真のみならず水彩画や版画といった風合いにも出来る。
作成は如何に?顔料、アラビア・ゴムまたはその他糊と重クロム酸カリウムとの混合液を塗布し乾燥させた水彩画用紙直にモノクロのネガをのせ太陽光で感光させる。
完成作品はネガのサイズと同一。感光後に水洗浄により画像が現れる。通常、完成までには数層の顔料塗布を要す、つまり塗布と同時に感光や乾燥工程も繰り返されるが故大体一、二週間を必要とする。
以下はゴム印画作品の縁を示している。これは顔料塗布の繰り返しで発生する刷毛後であるが、塗りの際に毎回顔料を違えていることがわかる。
印画額装の際に縁の刷毛後を隠してしまう、または、作品として見せる事も可能である。